【ビジネス】衛星ネットワーク開発競争まとめ(衛星コンステレーションシステム)

こんにちは、とびすけです。

今回は「衛星通信ネットワークの開発競争」についてまとめてみました。

2020年に入り僕たちはよく”5G”という言葉をよく耳にすると思います。5Gになると、4G(LTE)よりも”大容量、低遅延、多接続”が実現すると言われていますね。
実際に5Gの恩恵にあずかるためには、5G対応のスマホをユーザー側が準備する必要があると同時に、通信会社側は基地局を新たに設置しなければなりません。
それは、現在僕たちが使用している4G用の基地局では5Gへの対応ができないためです。

そうです。基地局・通信網をイチから整備しなければなりません。
通信会社は、より人口密度の高い都市部を優先しインフラ整備を進めていますが、これを全国レベルで4G程度に快適な環境まで整備するためには通信会社に相当な設備投資が求められます。
仮に都市部にお住いの方でも5Gを定常的に使用できるのはもう少し先になりそうですね。

さて、それでは少し目線を変えてみましょう。

日本の通信会社が従来通りの”地上基地局”の整備に力を入れている間に世界ではどのような動きが進んでいるのでしょうか?
これが、今回のテーマですね。そうです、衛星を使った通信システムを整備しているプレイヤー(会社)があるんです。

今回は以下のような疑問にお答えできるような内容になっていますので、基礎知識程度にはなるのかなと思います。

”衛星による通信ネットワーク”ってどんなもの?
利点や課題は何?
どんな会社が取り組んでいるの?

正直私は専門家ではないので、科学的根拠やその実現性などについて定量的なことは何一つ言えないのですが、そこは勘弁してくださいな((+_+))

これまでの経緯

そもそもなぜ近年になって小型衛星によるインターネット通信の実現がより現実味を帯びてきたのか、その背景について触れます。

Wikiによると、第一世代と呼ばれる衛星通信ネットワークは1990年代半ばにモトローラによって構築されました。
現在ほとんどの通信衛星は静止軌道を用いていますが、この第一世代では低軌道を用いています。

  • 静止軌道衛星
    赤道上空の高度約35,786kmの円軌道(静止軌道)を、地球の自転周期と同じ周期で公転している人工衛星のこと
  • 低軌道衛星
    地球表面からの距離(高度)が2,000km以下の軌道を周る人工衛星

※静止軌道と低軌道の間は「中軌道」と呼ばれている。

静止軌道は地球表面から離れている分、非常に大きな範囲をカバーできます。ただ、携帯電話で静止軌道衛星を用いるためには、携帯電話からの電波をそこまで届ける必要があります。
単純に衛星からの電波を受信するだけ(BS放送を見るだけなど)であれば受信用アンテナだけで十分ですが、携帯電話ではメッセージや音声を携帯端末から35万キロ離れた衛星に届けなればなりません。

当時の携帯電話の場合、静止衛星まで電波を届けるためのバッテリーのスペックが不十分であったため静止軌道衛星を用いることはできませんでした。
そのため低軌道衛星を使っていたわけですね。

イリジウム衛星

静止軌道と異なり低軌道衛星は電波を届けられる範囲が狭まります。
つまり、その分だけ衛星の数を増やさなければなりません。また、複数の衛星を同時制御するシステムが必要となります。

例えば今、衛星Aを使って友人に電話をしていたとしましょう。ちょっと長話しをしている間に衛星Aが地平線の向こう側に行ってしまい電波が届かなくなった時に通信が切れては利便性が悪いですよね?
なので、衛星Aとの通信が切れる前に別の衛星Bにシームレスに切り替えないといけません。しかも、ユーザーにいつ切り替えたか気づかせないほど自然に。

これを「コンステレーションシステム」と呼びます。
多数の人工衛星を相互に連携させ動作させる技術です。代表的な例がGPS衛星です。

第一世代と呼ばれるモトローラが構築したシステムはまさにこの「衛星コンステレーション」を用いており、計画の初期段階では地球全体をカバーするために77個の衛星が必要と言われていました。
そのため、原子番号77の「イリジウム」にちなんでイリジウム衛星と言われています。
その後、実際には高度780kmに66個の衛星を配置することで地球全体をカバーできると判明したのですが、それでも”イリジウム衛星”と呼ばれています。

これは余談ですが、モトローラが事業を始めた際に「日本イリジウム」という会社が出資をしています。
この日本イリジウムは現KDDIと京セラが出資した会社です。

しかしながら、膨大な設備投資を回収するための高額な契約料によりユーザー数は増えず、1998年のサービス開始後わずか1年で米国イリジウム社が倒産。
それに伴い日本イリジウムもサービスを継続できず、負債だけが増え続け、ついには2005年に東京地裁へ自己破産を申請することになりました(負債額約101億円)。

ただし、米国イリジウム社は2000年11月に現イリジウムコミュニケーションズにより事業が継続されることになり、2002年には66基の衛星をすべて打ち上げ地球全体をカバーするシステムを構築しました。
ちなみにイリジウムコミュニケーションズは現在もSpaceX社のロケットを使い衛星を打ち上げていますよ。

2020年現在の動向

第一世代の衛星ネットワークは極めて高い初期費用を回収できず倒産してしまいましたが、その試みは今も継続しています。
現在その先頭を走っていると言われているのがイーロン・マスク率いるSpaceXです。彼らは2015年に「Starlink」という衛星コンステレーション計画を立ち上げました。

彼らは2020年代中頃までに1万2000基の衛星を打ち上げる予定で、上述の66個とは規模が全く異なります。だんちです。(どうやらその数を最大4万2000基とすることが最終目標らしい・・・)
これだけの数の衛星が互いに連携すれば、例え1つ2つの衛星との通信状況が悪くても代わりとなる衛星は幾つも存在し、電波環境の悪さを感じずに日常を送ることができるのでしょうね。

しかし、打ち上げる衛星の数は別として、同じようなコンステレーションシステムを構築しようとしている企業は決してSpaceXだけではありません。
それでは以下で代表的な企業の取り組みを簡単にご紹介します。

SpaceX

2015年に「Starlink」という衛星コンステレーション計画を立ち上げ、2020年11月25日時点で955個の衛星を打ち上げています。(うち、901個が軌道上に残り、54個が軌道から外れた)
自社で設計・製造している「ファルコン9」というロケットを使い、一度に60個を目安として打ち上げており、2021年には2週間に一度という頻度での打ち上げを予定しています。

そもそもSpaceX社が創業当時から開発を進めていたのはファルコン9のような再利用可能なロケットです。
しかしながら、仮にロケットが再利用可能となってもニーズ(市場規模)は限定的ですよね?
日々何万人も宇宙と地球を行き来したり、毎日のように衛星を打ち上げれば、大きな収益も見込めますが、少なくとも現時点ではそこまでのニーズはないです。

そこでSpaceXが出した一つの答えがこの「Starlink」なわけですね。
今は先進国、途上国関わらず多くの人がスマホをもち日々ネットを使っています。それはつまり大きな市場規模があるということです。
実際彼らは2025年までに衛星コンステレーション事業で300億米ドルの収益を目標に掲げる一方、ロケット打ち上げ事業からは50億米ドルを期待するに留まっています。

そして、この衛星コンステレーション事業で得た収入を基盤にして、火星開発を行うという野望を持っているのですね。

すでに900以上の衛星を打ち上げている時点で、SpaceXがマーケットリーダーであることに疑いの余地はありません。
さらに彼らは100万回のテストを実施しており、2020年10月26日に公開ベータテストが始まりました。最初は米国とカナダを対象にしているので残念ながら日本でテストを受けることはできないです。

ベータテストの報告では通信速度がほぼ50~150Mbpsを維持しており、最大200Mbpsを上回ったという報告もあります。
通常30Mbpsあればストレスのない環境と言われているので、少なくとも通信速度はそれを十分達成していると言えますね。
この結果はあくまでベータテストですので、今後ハードとソフトの両方が改善されてくれば、これ以上のスピードになることは間違いありません。(一般発売に間に合うかはわかりませんが・・・)

ただし、問題は”価格”にあります。
少なくともベータテストでの価格は月額99ドルとなっています。例えば、Softbank Airが月額約5000円、フレッツ光が月額約5000~6000円であることを考えるとちょっと高いですね。

また、アンテナ、取り付け用三脚、wifiルーターは別途500ドルの費用がかかります。これは工事を含んでいないと思います。
フレッツ光であれば屋内配線がある場合でも20,000円の工事費で済むことを考えると、こちらも割高ですね。

ただし、この値段が日本でのサービス開始に適用されるかというと、それはまだ不透明です。上述の価格はあくまでベータテスト時のものです。
何度も言うように地球全体を覆う衛星コンステレーションシステムの強みは、地上のどこからでもアクセスできる点です。
つまりアメリカや日本だけでなく、まだ通信インフラが十分に整っていない国々でも通信サービスを提供できます。
しかし、上記の価格では日本はまだしも人口が多く今後の発展が見込める東南アジアの国々の人にとっては高すぎることでしょう。
むしろ通信インフラが整備されている日本のほうが市場が飽和していると見做され、進出が遅れる可能性もありますね。(マーケットを奪うのが大変)

いずれにしても、アンテナなどの製品は需要があれば安くなると思いますし、生産拠点を東南アジアなどに移せばよりコストも下げられるでしょう。
またサブスクリプションで充分な収益が期待できるのであれば、アンテナ等の費用は無料になる可能性もありますね。
今後の動きが楽しみな企業の一つです。

OneWeb

先にSpaceXに触れましたが、実は”衛星コンステレーションシステムの構築”という文脈ではOneWebのほうが早く動き出しています。
創業者は連続起業家であるグレッグ・ワイラーです(彼めちゃめちゃ有名です)。2012年の設立当初から下り200Mbps、上り50Mbpsの衛星通信サービスを計画していたことを考えればSpaceXよりもだいぶ前から準備していたことがわかります。
そして、SpaceXと比べると少ない気がしますが、彼らは650個の衛星で世界中でインターネットをカバーする計画で、2019年にサービスを開始する予定でした。
しかしながら彼らの計画はその目標からだいぶ遅れており、今は2021年の商用化を目指しています。
実際、動き出した時期はSpaceXと比べると数年早かったものの、2020年3月時点ではOneWebが74基の衛星しか打ち上げられていなかった一方、SpaceXはすでに362基を打ち上げていました。

先見性のあるこうした取り組みが評価され2015年から2016年にかけて世界的企業からの出資を受けており、その中にはソフトバンク(10億米ドル)の名前もあり、当時の筆頭株主でした。
しかし、残念ながら資金繰りが厳しくなったようで2020年3月に倒産してしまいました。倒産といっても会社自体はイギリス政府とインドの大企業(Bharti Global)が取得しており、計画は継続しています。

ここで、なぜイギリス政府が出てきたのかというと、一つは元々OneWebがロンドンに本社を置いていたことがあるのかもしれない。
でもそれ以上にイギリスがEUから離脱したこと(Brexit)が大きな理由になっていると言われています。EUは独自の衛星システム「ガリレオシステム」を運用しており、例えばGPSなどを提供しています。
これまでEUに属していたイギリスもこのシステムを活用していましたが、離脱にあたってガリレオシステムから締め出されたため、独自の衛星システムが必要になりました。
こうした背景もありイギリスが出てきたんですね。

また、SpaceXとの比較で言うと、OneWebは自社にロケット打ち上げのノウハウや実績がないので衛星の打ち上げは欧州のアリアンスペース(Arianespace)と共同で実施しています。
つまりアリアンスペースと打ち上げのタイミングを調整しながら進めることになります。
自社に打ち上げ能力のあるSpaceXはこれまで衛星60基の打ち上げを16回行っていますが、そのうちの14回は2020年に行っているんですね。
好きなタイミングを自社で選べるSpaceXと違い、OneWebはアリアンスペースとの調整がある分、スピード感をもった取り組みには苦労しそうです。

Project Kuiper(Kuiper Systems)

「Project Kuiper」と聞くとパッと思いつかないかもしれませんが、”あの”アマゾンの子会社でインターネット接続を提供するための衛星コンステレーションシステムを展開するために2019年に立ち上げられた会社です。こう聞くと、”え、だいぶ最近じゃん”と思うかもしれませんね( ;∀;)

知っている人も多いかと思いますが、Amazonも結構前から宇宙開発を進めています。例えば、ジェフ・ベゾスによって2000年に設立されたBlue Originは航空宇宙メーカーで、宇宙飛行サービス会社です。
彼らもSpaceXと同じく再利用可能なロケットを通じて宇宙旅行をより安く、より信頼できるものにすることを目指しています。
Blue Originは宇宙空間への人の移動に焦点を当てていて、2021年1月も人間を模したマネキンを入れたカプセルを打ち上げて高度106kmに到達後、無事回収しています。

Project Kuiperについては設立されてからまだ日も浅いことから打ち上げられている衛星はまだありません。
ですが、FCC(連邦通信委員会)への許認可手続きなど準備は着々と進んでいる印象です。

実際、Amazonはこの計画に100億米ドルを投資することを発表していますし、自社にロケットの製造・打ち上げノウハウ・実績があることを考えると、一度打ち上げが始まれば急ピッチで進むと思います。
彼らは3,326個の衛星を打ち上げる計画で、すべてを打ち上げるのに最大10年かかると予想されています。ですが、SpaceXと同様にすべてを打ち上げる前に地域限定でベータテストや商用サービスを始めるかもしれませんね。

その他

上述した3社以外にも様々な企業が衛星コンステレーション計画を発表しています。

  • LeoSat(ルクセンブルク):78~108個の衛星コンステレーションを計画していたものの2019年11月に倒産(日本のスカパーJSATが投資していた)
  • Telesat(カナダ):1969年創業の老舗衛星通信会社であり衛星コンステレーション事業にも参入し2022年から特定の地域でサービス開始予定
  • Samsung(韓国):4,600個の衛星を打ち上げる計画を発表(2015年)
  • Facebook(アメリカ):プロジェクト「Athena」を発表
  • Sateliot(スペイン):2022年に5G専用の超小型衛星コンステレーションを打ち上げる計画を発表
  • GalaxySpace(中国):グローバルな5G通信を提供するための衛星コンステレーションを計画

上記で列挙したのはあくまで氷山の一角です。特に、これからは中国の動きが活発になると思います。
また、国立研究開発法人である情報通信研究機構は「欧州における光通信を⽤いた衛星コンステレーション計画の動向調査報告書」をまとめていますので、興味のある方はこちらもご覧くださいな。こちらはあくまで欧州限定ですが・・・

ちなみに衛星コンステレーションシステムではないですが、Googleは気球を使ったコンステレーションシステムに取り組んでいます。衛星ではないので、高度はもっと低いですが、目的は同じです。

それにしても有望な企業への出資では日本企業の名前が散見されるものの、先頭に立って開発する日本企業がいないのはちょっと残念ですね( 一一)

強みと弱み

そもそも「衛星コンステレーション」のコンセプトは”情報へのアクセスの地域格差の最小化”だと思います。

日本の場合、基地局が充実していない山間部、農村部、過疎地域は都市部に比べて通信速度が遅くなりますよね。最悪の場合、そもそもネットにつながらない、ということもあります。
先進国と言われている日本でそんな状況なので、これから開発が進む国の都市部以外の地域については推して知るべしですね。

これを解決するために、通信会社は多くの基地局を設ける必要がありますが、そもそもニーズやユーザーが限定されている地域に大きなお金をかけて基地局を設けようという企業はいませんよね。
そこで衛星コンステレーションです。光回線や基地局のインフラが整備されていない場所でも、最小限の費用でネット環境を手に入れることができます。

そうすると、例えば農村部の子供たちの教育にネットを使ったオンラインスクールを届けられ教育格差が小さくなることが期待されますね。
あるいは、オンライン診療を提供することで地域医療が改善されるかもしれません。
また、外国へ旅行や仕事に行った際にわざわざSIMカードを購入する必要がなく、世界のどこでも同じSIMカードで同じ品質のサービスを受けられるかもしません。

上記はあくまで例ですが、生活レベル、生活の質が向上することはイメージできるのではないでしょうか?

一方で、悪い点もあるのは事実です。ここでは3つ取り上げます。
一つは「スペースデブリ」ですね。役割を終えた衛星のような軌道上にあるゴミです。

2019年にはそのスペースデブリが約20,000個あると報告されましたが、それは”確認可能なサイズのスペースデブリ”という条件がつきます。計測不能なサイズを含めれば数十万個はあるとの報告もあります。
高度300~450kmの低軌道では秒速7~8kmで飛んでいると言われており、その破壊力はすさまじく直径10cmあれば宇宙船を完全に破壊できるそうです。
ちなみに国際宇宙ステーションは高度400kmにあります。怖いですね。
今後数ある衛星コンステレーション計画が順調に進めば、その数は飛躍的に増えるでしょう。

その際に重要となるのは、「スペースデブリや既存衛星との衝突を回避する技術」と「これから飛ばす衛星をスペースデブリ化しない技術」です。
前者は、軌道力学などを用いて衝突を事前に予測したうえで回避する技術ですが、すべてのデブリの位置を把握でいていないのにそれが可能なのか疑問です。
後者は、例えば寿命が来た際や故障した際など処分しなければならない場合、あえて大気圏に突入させて燃やしたり、あるいは軌道を逸らし宇宙の彼方へ飛ばしてしまうという技術ですね。

二つ目は「天文学への影響」です。
望遠鏡で宇宙を観察する天文学者にとって何千、何万もの衛星は単に”邪魔”ですね。例えば、衛星から反射した光を自然現象と間違えてしまう可能性や観察対象との間に衛星が割込み邪魔をする可能性があります。
実際に天文学者からのクレームを聞いたSpaceXは、黒く塗りつぶした衛星(地上から見えなくする工夫)や光の反射を防ぐためのサンバイザーを衛星に取り付けたりしています。

これらの対策は天文学者の要望に完璧に応えているわけではありませんが、今後もこうした工夫が一層必要になってくると思います。

そして最後の問題が「規制や規則が整備されていない」という点です。
前述のスペースデブリ対策や反射問題についてはおそらく規則を設けなければならないと思います。またそれを世界標準にして各国が足並みを揃えないと、地域ごとに衛星コンステレーション事業の”やりやすさ”に違いが生まれてしまいます。

こうした課題は、今後よく議論されるべき点ですね。

最後に

今回は「衛星コンステレーションシステム」について取り上げてみました。

最近本を読んでこの分野を深堀りしようと思い調べた際、あまりにも多くの情報に触れたので一度まとめないと腹落ちしないなーと思ってまとめてみました。
インプットとアウトプットは大事ですもんね。

この記事がどなたかの役に立っていれば幸いです。

それではまた別の記事で!

とびすけ

 

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